MARQUEE PLAYER Interview

MARQUEE PLAYER Interview

Interview

日本発のシューケアブランド<MARQUEE PLAYER>が創立10周年を迎え、東京/上野を拠点とし、世界にその名を轟かすインディペンデントスニーカーリテーラー<mita sneakers>と<new balance>の3者によるエクスクルーシブモデル【MT580 "GORE-TEX" "MARQUEE PLAYER x mita sneakers"】をリリースする。

MARQUEE PLAYER代表の小林健介さんに自身のブランド、そして今回のモデルに適したシューケア方法を始め、開発者だからこそ言えるMARQUEE PLAYER使用方法の実例について話を伺いました。


Q1
先ずは自己紹介を兼ねて、MARQUEE PLAYERをスタートしたきっかけと経緯を教えて下さい。

A1
初めまして、MARQUEE PLAYERの小林です。どうぞ宜しくお願い致します。15年くらい前から「シューケア」カテゴリーのプロダクトを構想していました。元々は海外ブランドの輸入や国内総代理店などを行う仕事に携わっていたのですが、その頃からいわゆるケア製品には非常に高い関心を持っていました。その中でもシューケア製品に関しては、自分が知る限りの国内ブランドでは気の利いた製品が見当たらなかったので、仕掛けてみようと。ただ、個人的にはスニーカーを履く自己表現の楽しみと同様に、楽しみ続けるためにも事前のケアを行ってから魅せ続けてほしいなと思っています。


Q2
ブランド名の由来を教えて下さい。

A2
直訳すると看板役者というような意味ですが、スポーツ(特にフットボールの世界)ではチームの顔になるような選手をMARQUEE PLAYERと呼ぶ事から引用して名付けました。プロダクト自体がそれぞれのポジションのプレイヤーであって、使用してくださる皆さんがヘッドコーチ的な意味合いです。


Q3
今では世界中に沢山のシューケアブランドが存在すると思うのですが、MARQUEE PLAYERのアイデンティティを教えて下さい。

A3
まずアプローチする目線が違うと考えております。多くのシューケアブランドは「スニーカーが汚れてからどうするか」を製品に落とし込んでいると思いますが、MARQUEE PLAYERは「スニーカーを汚さないようにするにはどうするか」を考慮し、スニーカーボックスを開けて直ぐに出来るケアから保管までの一連を網羅しています。なので、WATER+STAIN REPELLENT #01は水だけでなく油汚れも弾く防汚効果をプラスさせ、クリーナーに関しても帯電防止機能を付加し、埃汚れなどが付着しにくくなるようにアレンジしています。DRESSING ROOMはただの袋でなく、UVカット機能を入れることで、紫外線による日焼け予防をしながら保管しようという回答です。




Q4
mita sneakersとの関係性を教えて下さい。

A4
mita sneakersとMARQUEE PLAYERは共に東京の東側を拠点に活動しており、MARQUEE PLAYERが初めて市場にローンチする以前からのお付き合いになります。ブランド発足当初よりインラインアイテム全てをお取り扱い頂きながら、コラボレーションプロダクトの共同開発を継続しているパートナーでもあります。


Q5
MARQUEE PLAYER創立10周年を記念して、エクスクルーシブモデルとしてリリースされる今作の注目ポイントを小林さん視点で教えて下さい。

A5
実はMARQUEE PLAYERが試験的にスタートした2014年に、まだプロダクトを市場に発表する前になるのですが、new balanceさんのプレス展用ノベルティでコラボレートをさせて頂いた経緯がありまして、創立10周年のタイミングで再度このような取り組みをさせて頂ける事は本当に光栄なことでした。注目ポイントはMARQUEE PLAYER立ち上げ当初のキーカラーがブルーでしたので、原点回帰の意味合いも込めてブルーを基調としたカラーにしています。タンのテキストには、580のタン裏に記載されていたお手入れ時の注意書きをサンプリングしたところはMARQUEE PLAYERならではの目線なのかなと。また、代表的製品のWATER+STAIN REPELLENT #01に蓄光機能を入れる企画を練っているのですが、どうしても技術的に難しく実現出来ていません。なので、今作のエクスクルーシブモデルでグローインザダーク仕様のスプレースプラッシュを表現をさせてもらいました。



Q6
今回の580に適したMARQUEE PLAYERのシューケアアイテムがあれば教えて下さい。

A6
ずばりWATER+STAIN REPELLENT #01と、WIPE AWAYS #08です。もちろん、PREMIUM DETERGENT FOAM #10(クリーナー)も適しています。

ご説明の前に、まずは「防水」と「撥水」の違いをお話しさせて頂かなければなりません。「防水」と「撥水」の違いは、読んで字の如く「防水」は水を通さない。そして「撥水」は水を弾く状態を示します。

今回の580に採用されているGORE-TEXファブリクスの最たる機能は「防水・透湿」になります。防水透湿素材のメンブレン(膜)をアッパー素材とライニング素材で挟み込むことでワークし、構造的に「防水」はされるが「撥水」を促すものではありません。

MARQUEE PLAYERとして、アッパー表面の「撥水」を促すことは必然だと思っており、アッパー素材によっては雨などの吸水や汚れの付着によって起こる透湿度の低下を未然に防ぐ必要があると考えています。

また、MARQUEE PLAYERの撥水スプレーはミクロな産毛のような撥水成分を吹きかけ、乾くとその撥水成分が立ち上がりスニーカーの表面にフッ素樹脂被膜が出来ることで水を弾きます。細かい産毛が立っている様なイメージなので、面で覆うのではなく、点で覆う形となるので通気性を損ないにくいのも特徴です。

GORE-TEXの素晴らしい機能を有効的に永く使って頂く為にもメンテナンスは必要だと考えています。表面が汚れているままでは通気性を損ない、汚れが原因で水が浸透しまう可能性もあり、表面の汚れ除去は大切だと知って頂ければありがたいです。

MARQUEE PLAYERのケア方法は、スキンケアの世界観に似ているかと思っております。顔を洗ってすっぴんになってからの方が化粧水や保湿クリームの浸透が良いとか、メイクのノリが良いなど、綺麗にしてからの方がより効果的になるのと同様で、スニーカーの汚れをしっかり落としてから撥水スプレーをして頂く方が、WATER+STAIN REPELLENT #01の持つ高性能な撥水撥油機能がより発揮されます。なので、今回の580を履かれる前にWATER+STAIN REPELLENT #01でまずは撥水撥油加工をして頂き、その後も定期的にWIPE AWAYS #08や、クリーナーで汚れを落としてからWATER+STAIN REPELLENT #01で撥水撥油加工をして頂ければ幸いです。




Q7
小林さんにとって、スニーカーとは?そしてシューケアとは??

A7
車と潤滑油のような存在です。多くの人が乗る車も人によっては自己表現の一つであり、乗り物という実用アイテム。ちょっと強引な例えかもしれませんが、その車の心臓部になるエンジンにエンジンオイルが足りなくなれば焼き付きを起こしてダメになってしまいます。エンジンの力をタイヤに伝えるトランスミッションも、ミッションオイルが無ければ機能は著しく低下します。なので、スニーカーもメンテナンスをしないと劣化も早まり、機能が維持できなくなるみたいなイメージですかね。


Q8
最後に、MARQUEE PLAYERの今後の展望を聞かせてください。

A8
スニーカーケアを軸に始動したMARQUEE PLAYERですが、ブランドのサブタイトルにSporting clubともある通り、今後はスニーカーとも関わりの深いスポーツシーンを想定したコンセプトのもと、着眼点の幅を広げていきたいと考えています。人とカルチャーや事柄に関わるプロダクトに付随する何かに注目して、その何かの必要性を見直すような。そんな目線で開発したアイテムの一つがHYBRID RIB SOCKSでもあるんです。

目的に動き出した瞬間からその事柄が始まるものと捉え、親和性あるプロダクト展開を継続的に進化させていきたいと考えています。


 

開発者だからこそ言えるMARQUEE PLAYER使用方法の実例。


『For SNEAKER WATER+STAIN REPELLENT #01』
みなさまご存知の通り、スニーカーには様々な素材が使われておりますので、多素材に有効な本製品はスニーカーには勿論ですが、バッグやキャップへの使用もお勧めです。傘への使用もお勧めで、使用したての傘は撥水加工されていますが、徐々に撥水力が無くなるので、そんな時には是非お使いください。やはり水弾きが良いと見ていても気持ちがいいものです。



『For SUEDE WATER+STAIN REPELLENT #12』
ここ最近、COEL HAANのローファーやTimberlandの6inブーツなどを履く機会も多く、For SUEDE WATER+STAIN REPELLENT #12を使う機会も増えました。僕はちょっと面倒くさがりな面もありますので、革の保湿成分も入っているFor SUEDE WATER+STAIN REPELLENT #12は重宝しています。スムースレザーやスウェード、ヌバックなどの手入れが面倒な時は、この撥水スプレーをして革に保湿もさせています。艶も出るのでドレスシューズにも使える優れものです。



『SNEAKER PACK DRESSING ROOM』
旅行や出張時には必須のアイテムです。スニーカーを入れる事も多いですが、僕は意外とT-シャツやスウェットを入れている事の方が多いかも知れません。服はかさばるので、これに入れて空気を出来るだけ抜けばスーツケースの中でもご自宅のクローゼットでも大活躍出来るアイテムです。



『For SNEAKER CLEANING BRUSH #05』
これを言ってしまうとクリーナーを作っている側としては不適切なのかも知れませんが、このブラシをぬるま湯で濡らして使うだけでも十分汚れは落とせます。そう言えるぐらい優れたブラシです。



『For SNEAKER HORSEHARE BRUSH #02』
まず、クリーニングする前に硬い汚れがあるとスニーカーを傷つけてしまう恐れがあるので、必ずこれで簡単な汚れや埃を落としてからクリーニングしてほしいです。馬毛を使用しており適度な張りがありますので、僕はクリーナーをつけてアッパーの汚れ落としに使用しています。近代社会の道路環境は整備されていますので、アッパーがびっくりするぐらい汚れる事は少なくなりました。なので、クリーナーを付けて軽くブラッシングする程度でも十分綺麗になります。ブラシの持ち手が一枚板なので、水に濡れるとしだいに板が反ってしまう可能性がありますが、使い勝手の良い一品です。あとは、NEW ERAキャップの埃取りにも本当にお勧めです。



『For SNEAKER PREMIUM DETERGENT FOAM #10 150ML』
このアイテムが一番力を発揮してくれていると実感するタイミングは、子供のスニーカーを洗っている時です。子供のスニーカーって本当にすぐ汚れますので、本品とFor SNEAKER CLEANING BRUSH #05を使ってガシガシ洗っています。



『RUBBER + SOLE ERASER #03』
CONVERSEのオールスターやVANSのスリッポン、オールドスクールなどのバルカナイズスニーカーには打って付けのアイテムです。ミッドソールが綺麗になるだけでもスニーカーの見え方は全然違います。本品は、車の洗車時に使っていた粘土クリーナーから発想を得て作りました。



『For LEATHER SHOE CREAM #07』
レザーシューズ以外にも使用する事が多いアイテムです。意外に思われるかも知れませんが、レザーベルトに使う事も多いです。ベルトって意外と傷みやすいと思っていまして、スーツを着る際にベルトが傷んでるとちょっと見栄えが悪かったりしますので、気をつけるようにしています。あと、レザークリームを塗る前にはレザー用のクリーナーで古いクリームを落とし、革をすっぴんにしてから使用するとより効果的です。MARQUEE PLAYERにレザー用クリーナーはまだないのですが、、、



『SHOE SHEET "ONE DOLLAR"』
DRESSING ROOMの中に入れて使用して頂く事はもちろんですが、シューズの中に直接入れる時はそんなに綺麗に入れず、僕はグシャっと丸めて使っています。あと、すごく良い出来の製品なので、額に入れて飾ったりもしています(笑)


『FOOTWEAR POWDER #04』
スポーツをする時に履くシューズに是非使ってほしいです。お世話になっている先輩のお子さんの部活用シューズで使用されていたり、友人はスポーツジムで履いているシューズに使用し、効果を実感してくれています。



『WIPE AWAYS #08 For SNEAKERS&CAPS』
一番は雨の日に履いたスニーカーに是非使用してほしいです。本品とFor SNEAKER WATER+STAIN REPELLENT #01を併用して頂き、是非梅雨シーズンに備えてください。アウトドアウェアのアウターに使用するのも良さそうです。


『HYBRID RIB SOCKS』
何気なく履いているソックスですが、ソックスの重要性ってかなり高いと実感しています。足とスニーカーの間にある重要な役割であって、そのシーンに合うソックスじゃないと色々なポテンシャルが発揮されない物だなと。あと、洗う時は裏返して洗ってください。

 

 

Kensuke Kobayashi(MARQUEE PLAYER)
マーキープレイヤー 代表 小林健介

セレクトショップ、輸入商社、フレグランスブランドを経て独立、MARQUEE PLAYERを立ち上げる。mita sneakers、Herringbone Footwear、atmosなどのスニーカーブティック、A BATHING APE®︎などのストリートブランドともコラボレーションを展開。

Photo : Kazuma Koremura (@koremoo)

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